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暴走族 or 同好会?

SEB200610130005.jpg改造バイクで集団走行し、爆音をまき散らす。一見、暴走族のようだが、自らは「『族』ではない」と言う。グループ名も「橘(たちばな)うどん」「なかよしくらぶ」などと威圧感のないのが多い。35都府県に291グループ、福岡県だけでも24グループ390人もいる。暴走族とバイク愛好家サークルの間にいるような「あいまいさ」で警察の目を逃れてきたが、最近は無法者も目立ってきて県警が取り締まりを強めている——その名は「旧車會(きゅうしゃかい)」。
 福岡県瀬高町の片側1車線の国道。9月末の夜、一列になった暴走族風の改造バイク約40台が時折、対向車線にはみ出しながら走る、その行く手を県警の車両がふさいだ。誘導され、近くの工事現場に集められたのは、筑後地区を拠点に活動する旧車會「橘うどん」のメンバーたちだった。
 10代〜20代後半で普通のジャンパーにジーパン姿。ほとんどがヘルメットもきちんとかぶっている。「動くな」「免許証を出して」。警察官の指示にも素直に従った。結局、音を大きくするためにマフラーの芯を外すなど違法改造をしていた37台に即、整備命令が出された。
 橘うどんのように、旧車會のメンバーには成人が多く、厳しい上下関係やグループ間の争いもない。暴走族と違ってヘルメットと運転免許証、車検証は常備するし、信号も守るなど、基本的な交通ルールをおおむね守ろうとするのも特徴だ。
 県内最大組織とされる「博多旧車會」のリーダーで自動車整備業の高瀬健治さん(33)は、違法改造や迷惑走行を認めつつも「見かけで、族と一緒にしないでほしい」と話す。博多旧車會は、出発前に「安全運転で」と注意し合い、一般車両が車列に入ると道を譲ることさえあるという。「自分も元暴走族だけど、會はバイクの改造という趣味が同じ仲間の集まり。なくなれば、若い子たちは暴走族に戻ってしまいますよ」と高瀬さん。
 県警交通部によると、県内で旧車會の活動が確認されたのは7年前。前後して、全国最多の2500人以上いた県内の暴走族の構成員が減り始めたという。旧車會側は「暴走族がまっとうになった」というが、県警は「実情は、暴走族と変わらない」とみている。
 実際、6月11日未明には、北九州市の旧車會の5人が福岡市の国道の片側3車線を占拠して暴走。追跡するパトカーを振り切って逃げ、道交法違反(共同危険行為)などの疑いで逮捕されるなど、県警の「凶悪さはない分、巧妙に暴走行為を続けている」という見方を裏付けた。
 県警交通部の柴田茂美・暴走族対策室長は「暴走族が摘発の隠れみのとして旧車會を名乗っているケースもあり、さらに取り締まりを強めたい」と話している。

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