(日本無線の二輪用ETC機器プロトタイプ。左からETC本体、アンテナ、インジケーター。黄色の○は500円玉大)
国土交通省と高速道路各社は19日、二輪車向けETCを11月にも導入する方針を固めた。同省などが今春から実施したモニター調査で機能性と安全性が確認されたと判断した。四輪車に比べて二輪車の料金の支払いには時間がかかるケースが多く、普及が進めば渋滞の緩和にもつながりそうだ。
二輪車向けETCは四輪車向けに比べ5年遅れの導入となる。今後は四輪と同様、深夜・早朝の距離に応じたETC割引などが受けられるようになる。四輪車に比べ取り付け費用などが1万〜2万円程度高いが、同省や各社は四輪ドライバーの端末取得に現在実施している各種助成に補助額などを上乗せすることも検討している。
二輪ライダーは、料金を支払う際、手袋を外したり、ポケットから財布を出し入れしたりなど時間がかかっていた。これまで割引を受けられなかった不満もあり、ライダーのETC導入に対する関心は高く、今春から東京、大阪、名古屋で実施した約5000台のモニター調査には希望者が殺到していた。
ちなみに画像の最新版日本無線製ETCユニットは、現在行われている一般モニター制度で使用されているモニター器に比べ、本体が約2回り、アンテナが1/4程度、インジケーターが半分ほど、それぞれ小さくなっており、ほぼ四輪用機器と同等サイズまで小型化されている。ただし、価格は3万円前後で進められており、取付やセットアップ費用を含めると、割高感が否めない。前述の各種助成による補助を強く希望した。
また、未確認情報ではあるが、日本無線以外でもう1社、ほぼ同時進行で二輪車用ETCユニットの開発を行っているところがあるらしく、日本無線の市販器よりやや遅れて登場するらしい。当然、価格は日本無線より安く抑えてくると思われる。順調にいけば年末までには、複数の二輪用ETCユニットが出揃い、閑散期となる冬場のバイク業界に少なからず、恩恵をもたらすだろう。個人的には、二輪用ETCユニットを初期から開発し、二輪車用ETC実現に尽力してくれた日本無線製機器を購入したい。また、当サイトをご覧の諸兄にも、ぜひ日本無線製ETC器を装着して頂きたい。
尚、今週末に行われるMotoGP日本GP会場のNMCA(日本二輪車協会)ブースにて、二輪車用ETC市販器の展示が行われる予定である。